樺細工 文箱、茶筒

平成24年度の 日本手仕事優品展 出品作品のご紹介です。

グラフィック社「民藝の教科書③ 木と漆」の取材の際、製作現場を訪れ、
数多い製品の中から私の目に美しく感じたものを選びました。
よくみると樺(桜皮)の自然な色具合やチラシの重なり部分など
風情のあるものばかりを選んでいます。
私どもは美しさの観点からもの選びをしますが、
普通の雑器類からも素材そのものが美を生ずるもの、
それをそのままの状態で器物に作りかえたもの、
こんなものが今回の出品物にあり、その中から選んだ文箱と茶筒です。

小鹿田・坂本浩二 飴釉黄青流1斗5升壷

平成24年度の 日本手仕事優品展 出品作品のご紹介です。
胴から肩にかけての緩やかなカーブが美しく、腰部分がすぼみ理想的な形。
蓋のかぶせ具合も良く、しかも薄づくりで軽い。
これも最高賞と言える出来栄え。
45歳になる彼がいかに優れた陶工であるかを表すほどのもの。

もやい工藝久野恵一の仕入れ日記 その2

竹取ストーリー 

武雄市北部に位置する多々良地区で竹細工を生業とする
池田さんとは20年ほどの付き合い。 
同じ武雄市に位置する西川登町は、かつて九州でも一大竹細工産地で、
池田さんはその系統を受け継ぐ竹製品をつくり続けて御歳78歳になります。
 
このごろ、寄る年波で力がなくなったとのこと、
編み方にも元気がないと言いますが、注文を受ければ、
面倒な依頼、例えば、磨く、面をとる、持ち手を幅広にするなどもこなしてくれます。
今回は取材がてらでしたので、まず竹とりに同行させていただきました。 
愛車パジェロは4輪駆動ゆえ山道を得意としますが、さすがに狭い道幅、
雨上がりの泥状の道を進み、その竹の場所へ案内してもらいました。
約20メートルの真竹が林立し、見るからに優れた竹材であることがわかります。 
なるほどと関心。 
こんなになりました

この竹を自身で持ちやすく2等分ほどにして、およそ3キロの道を軽トラで運ぶのです。 
今回は取材のためもあって、あらかじめ注文していた竹製品が出来ていました。

今回の仕入れ

私の好むカゴの中でも、角メゴ、ハチダと言う収穫物を運ぶカゴや、
野菜採り入れカゴ、みかんちぎりカゴ、それから柄がついた茶碗カゴなど。 
我がもやい工藝店で現在期間中の「現代民藝優秀品の会」に出品するため、
早速送る手配をしたところでした。

長崎・野田利治さんの正割当て縁の屑籠

野田さんの竹製品の縁巻きの多くは巻き縁ですが、
厚みのある重たいものを入れる容器には、当て縁にします。
九州地方では鹿児島県の竹細工に多く見られ、
中国地方でもよく見られるものですが、
今は地方出来のカゴの当て縁も巻きの締めに用いるのは針金が多く、
場合によってはビニールも使われています。
鹿児島も、最近はこのようなものも用いますが、
お願いすると場合によってはツヅラ蔓で巻いてくれます。
野田さんは最初からツヅラ蔓もしくは籐を使います。
自然素材の方がなじみ、締め付けも強く、
そして手に傷つきにくいからだと。
よき配慮がされた現代の暮らしに最適な屑篭として推薦します。

長崎・野田利治さんのヤミテゴ改良買い物カゴ

ヤミテゴとは終戦後間もなく闇市で食料品を買い、
持ち運んだカゴのことを言いますが、
そのまま買い物カゴにもなります。
特に野田さんのものは佐世保という地域ゆえ物資も豊富だったからか、
他の産地の買い物カゴ、ヤミテゴよりはるかに大きく存在感があります。
持ち運びにもいいし、車の中に入れておけば野菜が転ばなく、
また家の中でも様々な使い勝手のよいカゴでしょう。 
柄もしっかり取り付けてあり、底も支え竹によって安定し、
たとえ底が壊れても修理してくれるのでいつまでも使えるもの。
用いる竹も皮メをミガイテいるので、使い込むほどに艶が出て美しくなります。

長崎・野田利治さんの新作書類入れカゴ

手仕事フォーラム会報誌、シルタ20号でも紹介していたのでご参照ください。 
もうだいぶ前、八女地方でつくられていた魚釣り用の段物魚籠からヒントを得て、
3段の入れ組それぞれを除いて被せの蓋のみにした書類入れに改良したもの。
円形編みを四角く編む難しさをきちんとこなす野田さん。
用いる竹も吟味されており、素朴ながらも品のある逸品。

もやい工藝久野恵一の仕入れ日記 その1

「民藝の教科書④ カゴとザル」の取材がてら、
佐世保の竹細工・野田利治さんにお願いして
いろいろと竹製品をつくっていただきました。 
この取材は本を見ていただいた方はお分かりと思いますが、
普通は対象品を製作依頼するより在る品の中から適当なのを選び、
その内容を記述するのですが、私の場合は頼んだ以上は全て引き取るので、
もやい工藝の仕入れにふさわしいものをつくってもらってきました。 
民藝の教科書シリーズはこの方向でこれまできました。
 
今回も買い物カゴ、しかも四角い買い物カゴを注文し、
その作業風景を取材すると同時に出来上がった製品は購入。 
更に5種類ほどの注文したものも引き取ってきました。 
どれもみんな出来上がりが良く美しい。 
十分現代の暮らしに適う優れものばかりです。 
九州でも本格的な竹細工のつくり手は僅か数名のみ。 
野田さんも80歳。 
何としても続けていただきたいものですが、
後継者を見つけるか育てるかが問われています。
 
しかしこんな老人の手からこんなすばらしいカゴが出来ること、
日本文化の底力を感じざるを得ませんでした。

秋田角館・佐藤定雄、智香 筒カゴ

平成24年度の 日本手仕事優品展 出品作品のご紹介です。
胡桃の樹皮を用いたラックと同じく、山桜の樹皮を用いており、
昔は肥料などを入れた筒長の容器です。
そのカゴは本来、もっとおおざっぱな剥ぎ方で、
しかもそれを樹皮でかがるものですが、筒長のスレンダーな形と
桜皮の醸し出す自然な樹木の活き活きとした強さが相まって、
大変魅力的なカゴとなっています。
本来なら民具の逸品としてもよいでしょうが、
縁づくりやかがり方に工夫が見られ、美しく立派な容器となっており、
これもまたいくつかつくる中から選ばせてもらったものです。

南砺・わたなべ木工 飛騨椀

平成24年度の 日本手仕事優品展 出品作品のご紹介です。 
手仕事フォーラムHPにも再三紹介し、
11月にエイ出版社より出版されたディスカバージャパンで紹介した、
南砺市福光の渡辺章治氏による大振りなお椀です。
「飛騨椀」とは、北陸の山間部でつくられた大振りな椀で、
ご飯を一年に数度めいっぱい食べていいという藩主からの許可があるハレの日に、
山盛りに盛るために必要とされた椀で、
てらいのない大きな形はとても魅力的なものです。
渡辺章治氏は元々木地師でありながら学生時代から漆の勉強もし、
木地づくりと漆塗りも出来る珍しい木漆職人ともいえます。
その彼のつくった飛騨椀の中から木目の美しいものをこの展示会のために選びました。

読谷焼北窯・松田共司 指描青釉流し掛け打ち尺皿

平成24年度の 日本手仕事優品展 出品作品のご紹介です。 
松田共司君の優れた皿づくりはおおらかで
器体そのものに琉球伝統の力強さを感じますが、
その皿の上に白化粧土を掛け、瞬時に、
指で大胆に自由奔放に描き出したこの皿は、
白掛けのみで焼成したとしても人を引きつけると思われるほどです。
さらに施釉は青地釉を差し、
しかもそれを打ち流す大胆な方法をとっているところに魅力があります。
今展示会の中でベスト10に入れたいほどのものでした。


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