石見焼・宮内窯の塩壺

先日のNHK BS「イッピン」では、石見焼が取り上げられ、

その中で、久野恵一が宮内窯と共に取り組んだ製品も紹介して頂きました。

 

そこで紹介された塩壺をご紹介します。

 

石見の土は塩分に強く、また、高温度での焼成に耐えることから硬質な性質を持ちます。

この性質を活かし、古くは甕などの大きな保存容器の生産が盛んでした。

 

そんな石見焼ならではの特長を活かして、

久野恵一が現在の生活にも適する品をとして考案、

作って頂いたものの一つが塩壺です。

 

丸い胴に、傘のような形の蓋を乗せた可愛らしい形。

 

白化粧土を刷毛でさっと引かれており、

石見のグレーの土色との淡いコントラストが良い風合いを醸し出します。

 

ちなみに石見焼のもので白化粧をすることはほとんどありません。

多くは透明釉をかけただけであったり、

保存容器としての堅牢さ(耐水性、耐酸性)を高めるため、

瓦などに用いられる来待釉をかけたもの(茶色く呈色します)が中心です。

先代の宮内謙一さんがかつて福岡県・小石原でロクロ職人として

働いていた経験から、小石原焼から白化粧をするアイディアを

採り入れたのではないかとのこと。

この塩壺にもうまく採り入れられたと言えるでしょう。

 

ちなみに、久野恵一が宮内さんに預けていた見本がこちら。

小鹿田焼・柳瀬朝夫窯の薬味入れが見本でした。

形は似ていますが、宮内さんならではの感覚と

石見焼の特長も合わさり、別物に生まれ変わったと言えるでしょう。

 

黒色もあります。

 

コロンとした形で、見るのも使うのも楽しい一品。

ぜひ生活に採り入れてみてください。

 

番組は4/3にも再放送予定です。どうぞご覧ください。

http://www4.nhk.or.jp/ippin/x/2018-04-03/10/18271/2118188/


永見窯より

永見窯から久々の入荷です。

(少量の入荷ですので、在庫状況はお問い合わせください)

 

永見さんは、陶芸家・船木研児氏の元で修行したのち、

島根県三刀屋で自作の薪窯を築き、製作を続けています。

陶土は同じく島根県・石見地方の赤土を自ら掘り、釉薬も全て自作。

窯を焚く為の薪も、自らチェーンソーで切り出します。

当店先代・久野恵一とのお付き合いも長く、

様々な製品づくりに取り組んできました。

 

パン皿。

特徴的な飴色は、地元・来待で採れる石を主原料とした来待釉です。

湯町窯の黄釉と基本的には同様と思われますが、色味の違いにも注目です。

平坦な皿ですので、パンだけでなくケーキなどにも。

 

通称リーチマグ。

リーチポタリー(バーナード・リーチが創立したイギリスの窯)で

作られていたマグカップの形をベースにしたものです。

鉄分を多く含む石見の赤土に灰釉をかけて還元炎焼成することで、

モスグリーンとも言える独特の柔らかい緑色が生まれます。

素焼きとなっている部分も、鉄分が表面に表出していて良い雰囲気。

シンプルで手に馴染む大きさ、口当たりも良いです。

 

同じくモスグリーンのグラタン皿。

こちらはオーブンに入れても大丈夫です。

 

このような角皿もあります。同じく飴色が良い雰囲気です。

 

他にも飯碗や蕎麦猪口など、シンプルで日々の食卓に使いやすいものが揃っています。

ぜひご覧ください。


瀬戸焼・一里塚本業窯の器

瀬戸焼・一里塚本業窯から入荷していますので、いくつかご紹介します。

 

瀬戸ならではの白い土に、シンプルに灰釉や飴釉をかけた器です。

灰釉は、黄色味がかった透明感のある暖かみのある色合いです。

飴釉は色の濃淡の変化が良い風合いを見せます。

 

灰釉の物は、焼成時に生まれる貫入(釉薬内のガラス質の細かいヒビ)があります。

使用とともに変化し、味わいが増していきます。

 

 

8寸皿。

しっかりと取られた縁と、内側に施された2本の線で

釉薬のコントラストが生まれ、自然な模様のようになっています。

シンプルですが、食卓で料理を引き立ててくれます。

 

 

片口。

写真奥の直線的に立ち上がる形は定番ですが、

今回は胴が丸型のもの(写真手前)も入荷しています。

 

飯碗。

スッと立ち上がる綺麗な形です。

 

今回ご紹介した他にもマグ、カップアンドソーサー、湯呑みなど。

いずれも、作り手・水野雅之さんの高いロクロ技術が感じられます。

 

ぜひ食卓に採り入れてみてはいかがでしょうか。


仕入れ日記・小鹿田焼共同窯 2018年2月窯出し

小鹿田焼共同窯の窯出しに小鹿田を訪ねました。

 

寒波の影響で、九州は雪が降ったり止んだりの天気です。

平野部はほとんど積もっていませんでしたが、

小鹿田に至る2kmほど手前から積雪が多くなり、道は凍結状態。

谷間に位置する小鹿田周辺はなかなか雪が解けませんし、

気温も市街地よりもだいぶ低いです。

 

小鹿田に入ると、雪化粧した登り窯が迎えてくれました。

なんと、水路の水が凍っています(写真左下)。

ここまでに冷えるのはめったになかったことだそうです。

 

そんな中でも窯出し自体は順調でした。

今回は柳瀬朝夫窯、坂本浩二窯、黒木史人窯の3窯元の窯出しです。

 

朝夫さんの窯は、朝夫さんらしい器が健在です。

裕之さんも、8寸ほどの鉢などを多く作っていましたが、

いずれも朝夫さんの力強さを彷彿とさせるものでした。

 

浩二さんの窯も良い焼きあがり。

今回出来上がっていた大壺(写真の下3つ)。

浩二さんの凄さを改めて感じさせる出来です。

青地釉は強く焼かなければうまく発色しない為にバランスが難しく、

地に膨れが出てしまうこともしばしばですが、

今回は焼きあがりも完璧でした。

 

さて、今回の訪問では一つニュースがあり、

小鹿田の現役陶工の中でもっともベテランである黒木力さんが

ついに引退されるということでした。

力さんは、息子さんを早くに亡くし、一人でロクロを回していました。

息子さんの奥様である孝子さんが当主となり、窯を守ってきました。

今年の窯焚きは家族でされたそうですが、大変な苦労だったことと思います。

 

今年88歳になられますが、まだまだお元気な力さん、

これからも仕事を続けていってくれればと思っていましたが、

お年を考えれば仕方がないことなのかもしれません。

お疲れ様でしたと申し上げたいです。

 

 

窯出しの翌日には雨が降り、雪もだいぶ解けたようでしたが、

その翌日にはまた雪が降りました。

筑後平野は真っ白。小鹿田にも雪が積もったそうです。


高速道路が通行止になるなど混乱に巻き込まれつつ、九州を後にしました。


小鹿田焼ベテランの仕事

小鹿田焼のベテラン陶工、黒木力さんと柳瀬朝夫さんの仕事をご紹介します。
(既に完売した物も含まれます。ご了承下さい)

 

 

黒木力さんは88歳。

小鹿田焼の現役では最高齢ですが、器が持つ力強さは健在です。

 

 

打刷毛目や飛びカンナは、白化粧がたっぷりと施されて独特の風合いです。

 

 

力さんの1合壺。

 

 

 

続いて、柳瀬朝夫さん。

腰を悪くしてしまい、大きなものは出来なくなってしまいましたが、

朝夫さんならではの熟練した技術と感覚が感じられます。

 

 

大小湯呑み。

 

口付徳利。

 

 

朝夫さんの窯の大きめのものは、裕之さんが挽いています。

柳瀬朝夫窯のすり鉢。

 

尺1寸皿。

 

 

朝夫さんの力強さを見事に引き継いでいる迫力のある仕事です。


白木の木工品

食卓に載せる木工の器は、漆などで塗られたものが一般的では無いでしょうか。

ここでは、白木(=無塗装)のものをご紹介します。

 

先日ご紹介した、吉田璋也氏デザインのパン切り台。

富山・庄川で作られています。

白木としたことで、トチのきめ細かく柔らかな白色の肌を活かしています。

木目ははっきりとしておらず、ややぼんやりとしていますが、

肌の色と相まって良い雰囲気を醸し出しています。

 

縁の部分には溝が備えられており、パンを切った時に出るクズが

散らばらないよう考慮されています。

パン切り台ですが、もちろんパン以外にも使っていただけます。

 

続いて、定番のケヤキのパン皿。

パン切り台と同じく、富山・庄川のわたなべ木工芸にお願いして

作っていただいているものです。

ケヤキは力強く美しい木目が印象的です。

一枚一枚が全く違う表情を持つのが面白いです。

 

続いて、宮島のバターナイフとジャムスプーン。

こちらは桜や桑、ケヤキを材料に用いたものです。

 

 

いずれも白木ならではの木の温もりを感じられるものです。

天然の木ですので一つ一つ表情が異なりますし、

使い込むうちに油などが染み込み、風合いが変わっていくのも

白木ならではの楽しみです。

ぜひお気に入りの一品を見つけてください。


鳥取生まれ、富山・庄川のパン切り台

NHK BSプレミアム「イッピン」で、富山県庄川の挽物木地が取り上げられました。

 

私たちとも繋がりの深い、わたなべ木工芸の渡辺章司さんが

ご家族で出演されていました。

 

 

同番組が今回の大きく取り上げていたのは、パン切り台でした。

番組の中では「"民芸作家"の吉田璋也がイギリスの製品をもとにデザイン」

と触れられていましたが、改めてご紹介します。

 

このパン切り台は、鳥取の民藝運動に大きな貢献をした

吉田璋也氏(本業は医師です)が、イギリスの木工品をヒントに

デザインを取り入れたものです。

氏は、鳥取の民藝振興のため、新作民藝のプロデュースに取り組み、

大きな功績を残しました。

こちらのページに詳しく紹介されています。

http://shoyayoshida.jp/history/

 

木工においては、イギリスの家具を始め様々な意匠を取り入れ、

新たな製品作りに取り組みました。

ですので、このパン切り台も元々は鳥取で生まれ、作られてきたものです。

最近まで鳥取のある木工職人の方が製作されていましたが、

後継者がおらず、いよいよ製作者が途絶えてしまうという状況になった折、

当店先代の久野恵一が、わたなべ木工芸の渡辺さんに製作を依頼したのでした。

その際、木材にトチを指定したのは、トチならではの柔らかさと、

白木の美しさ、木目の雰囲気を活かしたかったからでしょう。

(現在は、鳥取でも復刻されており、製作している方がいらっしゃいます)

 

高い美意識が感じられる意匠とともに、木ならではの温もり、

そして、渡辺さんの熟練の技術と職人気質が感じられる一品です。
トチは個体差が大きく、木の成長の仕方などによって

美しい木目が出ないことも多いですが、

普段の生活に温もりのある木工品を取り入れていただければと思います。


小鹿田焼・柳瀬晴夫窯 リム皿

小鹿田焼・柳瀬晴夫窯からの新着品を並べています。

 

今回、晴夫さんにお願いして作っていただいたリム皿。

飛びかんなや打ち刷毛目といった小鹿田焼定番の技法が

施されたシンプルなお皿です。

装飾技法を多彩に駆使した器が多い晴夫さんですが、

今回はあえて技法を抑えめにしたシンプルな器をお願いしました。

 

縁(=リム)をやや広くとり、外側をぐるっと飴釉で巻きました。

 


すっきりとした形で、小鹿田焼ならではの素朴さを残しつつも、

晴夫さんらしいモダンな雰囲気を持った器に仕上がりました。

日々の食卓に使いやすいのではないでしょうか。

 

サイズは六寸と七寸、色は白・ウス青(緑)・飴の3色です。

ぜひ店頭でご覧ください。


小鹿田焼・黒木富雄(昌伸)窯から

新年は小鹿田焼・黒木富雄(昌伸)窯から新着品を並べています。

いくつかご紹介します。

 

富雄さんの尺四寸皿。

富雄窯からの大皿は珍しいかもしれません。

熟練の仕事、堂々とした存在感。

上下に流された透明感のある青地釉と飴釉、

そして白化粧された肌も、強く焼かれていて綺麗です。

 

 

伏せ合わせ皿。

縁同士を重ねて窯の中に積むことからこの名前になりました。

縁の部分は素焼きになっています。

焼かれる際、内側が密閉されるためか還元がより強くかかるようです。

ウス青(緑)がややくすんでいて、渋い雰囲気。

比較的平たいので、洋皿や菓子皿としても使えそうです。

 

昌伸さん定番のマグカップ。

大きすぎず小さすぎず、ちょうど良く手に馴染みます。

小鹿田ならではのシンプルな技法で装飾されていますが、

モダンで良い雰囲気です。毎朝使いたくなります。

 

 

昌伸さんのピッチャー。

強く焼かれて飴釉が赤茶色に。

掛けられた青地釉も流れて面白いです。

 


新年あけましておめでとうございます

 

新年明けましておめでとうございます

 

旧年中のご愛顧に厚く御礼申し上げます。

今年ももやい工藝は日本全国を巡り、

優れた手仕事を皆様の元にお届けすべく、

スタッフ一同邁進してまいります。

 

今年もどうぞよろしくお願いいたします。



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